1908年、東京帝国大学の化学者・池田菊苗さんが、昆布だしのうまさの正体を突き止めました。犯人はグルタミン酸。甘味・酸味・塩味・苦味に次ぐ第五の味として、池田さんはこれを「うま味」と名付け、特許も取得します。翌1909年には「味の素」として商品化されました。
池田さんは発見から4年後の1912年、ワシントンとニューヨークで開かれた万国応用化学会議に自ら出向き、「グルタミン酸塩の味について」という発表を直接行っています。にもかかわらず、その後の欧米の学術誌は、うま味に関する論文をほとんど受理しませんでした。単体ではそれほど強い味を持たないグルタミン酸は、独立した「味」というより、他の味を引き立てるだけの「風味増強剤」として扱われていたようです。
専用の受容体を、証明する手段がなかった
科学的な決着がつかなかったのには、技術的な理由もありました。舌にうま味専用の受容体が存在すると分子レベルで証明するには、遺伝子をクローニングする技術が確立するのを待たなければならなかったんです。それが実現したのは1990年代以降のことでした。
決着させたのは、日本人ではなかった
ようやく舌の上にうま味専用の受容体が見つかったのは、2000年、アメリカ・マイアミ大学の研究チームによる報告が最初です。続く2002年、カリフォルニア大学サンディエゴ校のチームが、2種類のタンパク質が組み合わさった受容体の仕組みを突き止めました。1908年の発見から数えて、実に92年から94年。「発見から100年」というタイトルの論文が書かれるほど、うま味が科学的に完全な市民権を得るまでには、ほぼ1世紀を要したことになります。発見したのは日本人でしたが、最終的に証明したのは、欧米の研究チームでした。
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参考にした情報源: jpo.go.jp


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