GPUのない時代、CPUだけで描いた3Dの大地

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今の3Dゲームは、専用のグラフィックチップ(GPU)が美しい風景を描き出します。けれど1990年代、まだ家庭のパソコンにGPUが載っていなかった頃、CPUの計算だけで広大な3D地形を走り抜けるゲームがありました。その立役者が『Voxel Space』と呼ばれる描画技術です。

この技術を生んだのは、ゲーム会社NovaLogicのカイル・フリーマンです。1992年のヘリコプターゲーム『Comanche: Maximum Overkill』で初めて実用化されました。仕組みは意外と素朴で、地形の高さを記した地図(ハイトマップ)をもとに、画面の手前から奥へ、縦の線を一本ずつ積み上げるように描いていきます。三角形のポリゴンを使わずに、起伏のある大地や峡谷を表現できたのです。

限られた計算力しかない時代だからこそ、工夫が技術を前に進めました。力ずくではなく知恵で乗り切るその発想は、今あらためて見ても鮮やかです。

制約は、ときに最高の発明家になる。手元の道具が足りないとき、人はかえって面白い解き方を見つけるのかもしれません。


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