コンピュータの不具合を「バグ(bug=虫)」と呼びますよね。その語源は、機械の中に本物の虫が挟まった事件だ——と聞いたことがあるかもしれません。じつはこれ、順番が逆なんです。
話は1947年9月9日にさかのぼります。ハーバード大学の巨大な計算機「Mark II」が、どうにも誤作動する。技術者たちが中を調べると、リレーと呼ばれる電気の接点に、一匹の蛾(が)が挟まって死んでいました。彼らはそれを取り除き、作業日誌にセロテープで貼り付けて、こう書き添えたんです。「バグが実際に見つかった、最初の事例」。
すでに「バグ」は、口ぐせだった
ここが肝心なところ。彼らはわざわざ「“本物の”バグが見つかった」と書いています。つまりこの時点で、「バグ=機械の不具合」という言い方は、もう技術者の日常語だったんです。実際、発明王エジソンも1878年の手紙で、装置の小さな欠陥を「バグ」と呼んでいました。蛾の一件より、70年近くも前のこと。だからこの日誌は語源ではなく、「言葉どおり“本物の虫”が出た」という、エンジニアたちの気の利いた洒落だったわけです。
この逸話は、プログラマーのグレース・ホッパーが好んで語り、有名になりました。ただ、蛾を見つけたのも日誌を書いたのも彼女ではない、というのが本当のところ。それでも、この一件にはなかなか粋な後日談があります。蛾を貼りつけたその日誌、今もスミソニアン博物館に、本物の蛾ごと大切に残されているんです。
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参考にした情報源: en.wikipedia.org


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