1980年ごろのアタリには、こんな方針がありました。ゲームを作った人の名前を、パッケージにも画面にも一切出さない。他社に引き抜かれるのを防ぐためです。印税もありません。
『Adventure』を作ったウォーレン・ロビネットさんも、その一人でした。彼の待遇は、本人が後年の講演資料にはっきり書いています。100万本が1本25ドルで売れて、自分は年俸2万2000ドル、印税なし。そこで彼は、会社に黙ってあることをします。誰も見つけられない部屋を作り、そこに自分の名前を置いたんです。
ドラゴンと同じだけのメモリを、署名に
仕掛けは凝っていました。特定の難易度でしか現れない1ピクセルの点を、橋がないと入れない小部屋から拾い、別の場所で他の道具と重ねる。すると壁が明滅して、通り抜けられる。その先の部屋に「Created by Warren Robinett」と出ます。
すごいのは、ここに割かれた資源です。このゲームが使えるメモリは128バイト。そのうち3バイトを、あの点のために使っていました。ドラゴン1体が5バイトの世界です。抗議は気持ちの問題ではなく、当時いちばん高価なメモリを実際に支払って行われたわけですね。しかも彼は仕込んだあと退社し、まる1年、同じ部屋の同僚にも黙っていたそうです。
発覚は発売後。ソルトレイクシティの15歳の少年が見つけ、手書きの手紙でアタリに知らせました。修正するには型を作り直す費用がかかる。そこで社内の責任者が言います。プレイヤーが説明書にないものを探すのはいいことだ、と。この人が付けた呼び名が「イースターエッグ」でした。
ただし、これが史上初かというと微妙です。2017年、1977年のアーケード機にもっと古い隠しメッセージが見つかりました。正確に言えるのは、この一件が「イースターエッグ」という名前を生んだ、ということです。
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参考にした情報源: en.wikipedia.org


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