缶詰には「ノミとハンマーで開けよ」と書いてあった

歴史・文化

缶詰が生まれてから、缶切りができるまで。そこには45年ほどの空白があります。その間、人々はどうやって開けていたのか。答えは、缶そのものに印刷されていました。

1824年、北極を目指したパリー探検隊が積んだ缶には、こんな指示があったと伝えられています。「外縁の近くを、ノミとハンマーで丸く切れ」。冗談ではありません。当時の缶は錫めっきした錬鉄製で、厚さは最大で4.8ミリ。中身より缶のほうが重いという代物でした。現存する1824年の仔牛肉の缶は、およそ3.2キロあります。

なぜ45年も空いたのか

始まりは1795年、フランス政府が新しい食品保存法に懸賞を出したことでした。応じたニコラ・アペールがガラス瓶での保存法を確立し、1810年に賞金を受け取ります。同じ年、イギリスのピーター・デュランドがブリキ缶を含む容器の特許を取りました。

空白の理由は、売り先にあります。初期の缶詰は主に軍と探検隊のものでした。兵士は銃剣やナイフを持っていますし、石で叩き割ることもできる。わざわざ専用の道具を作る動機が薄かったんですね。

最初の缶切りは1855年、ロンドンの刃物職人ロバート・イェーツによる爪型のもの。1858年にはアメリカのエズラ・ウォーナーが特許を取り、南北戦争で軍に使われました。ちなみにアメリカ初はウォーナーですが、世界初はイェーツのほうです。

もっとも、缶切りができても家庭には入りませんでした。初期のものは危なっかしく、食料品店に置かれていたんです。店員が客の代わりに缶を開け、それを持ち帰らせていました。いま台所にある、くるくる回すあの形が完成したのは1925年。缶の誕生から、100年以上が経っていました。


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参考にした情報源: en.wikipedia.org

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