祝いの席で開けるシャンパン。あの泡は、もともと歓迎されていませんでした。それどころか「悪魔のワイン」と呼ばれ、造り手を悩ませる欠陥だったんです。
原因は、シャンパーニュ地方の寒さでした。冬になると発酵が途中で止まり、酵母が眠ります。春に暖かくなると目を覚まし、瓶の中で再び発酵を始める。すると炭酸ガスが溜まり、瓶が割れ、コルクが飛ぶ。蔵では1本が割れると隣も割れ、連鎖したと伝えられます。作業する人は重い面をかぶった、という話も残っています。
泡を消すのが、彼の仕事だった
ここで名前が挙がるのが、修道士ドン・ペリニヨンです。「シャンパンを発明した人」として知られていますよね。ところが実際は逆でした。彼が修道院から命じられていたのは、この厄介な泡を取り除くこと。彼の本当の功績は、複数の畑のブドウを配合する技術や、涼しい時間に収穫する工夫のほうです。有名な「星を飲んでいるようだ」という台詞も、本人の言葉ではなく、19世紀後半の広告に現れたのが最初とみられています。
では誰が泡を価値に変えたのか。記録に残る最初の発泡ワインの製法は、意外にもイギリス人医師クリストファー・メレットが1662年に王立協会へ提出した論文です。泡立たせるために砂糖を加える、という当時の英国の慣行を書き残しました。
そして、もっと意外な立役者がいます。イギリス海軍です。1615年、国王は軍艦用の木材を守るため、ガラス窯で薪を燃やすことを禁じました。窯は石炭に切り替わり、より高温で焼けるようになった結果、桁違いに丈夫な瓶が生まれます。フランスの薪窯では、この強度が出せませんでした。泡を閉じ込められる器ができて、はじめて欠陥は商品になったわけですね。
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参考にした情報源: en.wikipedia.org

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