ファミコンやMSXの画面で、背景の上を動き回るキャラクター。あれを業界では「スプライト」と呼びます。英語で、妖精のこと。無骨な半導体の話に、ずいぶん可憐な名前がついているんです。
名づけ親は、テキサス・インスツルメンツのデイビッド・アックリーさん。1970年代の終わり、同社が作った映像用チップの開発でのことでした。それまで、この手の絵は「プレイヤー・グラフィックス」と呼ばれていたそうです。当時の設計者カール・グッタグさんが、命名したのは自分ではなくアックリーさんだ、とはっきり証言しています。名前の由来は「背景の上をふわふわ漂って見えるから」と説明されることが多いのですが、じつは本人がそう語った記録は見つかっていません。伝わっている説、というのが正直なところです。
画面を持たずに、キャラだけ動かす
技術としてのスプライトは、なかなか粋な発明でした。当時のメモリは高価で、画面1枚分の絵を丸ごと持つ余裕などありません。そこでキャラクターだけを別扱いにして、テレビが走査線を1本描くたびに、専用の回路が背景の上へ重ねていく。本体の計算装置は座標を書き換えるだけで済むので、軽々と動かせたんです。
ただし枚数には厳しい制限がありました。あのチップの場合、同じ横1列に置けるスプライトは4個まで。5個目からは表示されません。敵が増えるとキャラがチラついて消えた、あの現象の正体がこれです。
ちなみに、似た響きの「ピクセル」は妖精と無関係で、picture(絵)とelement(要素)を縮めた言葉。もっと言うと、この言葉を最初に思いついた人は、今もわかっていません。1965年に活字にした研究者はいますが、本人は「別の人から聞いた」と証言しており、そこで足取りが途切れています。
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参考にした情報源: en.wikipedia.org


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