世界で最初のウェブサイトは、いまも同じ住所で開いています。info.cern.ch。スイスの物理学研究所CERNにいたティム・バーナーズ=リーさんが、1990年の暮れに立ち上げたものです。中身は「ウェブとは何か」「自分のサーバをどう立てるか」という、ウェブそのものの説明書でした。
ところが、そこにあるのは初代ではありません。1990年の最初のファイルは、すでに失われています。当時の関係者はこう振り返っています。これが特別なものになるとは思わず、誰もコピーを取らなかった、と。初期版が入った光ディスクは、アメリカでの会議で紛失したそうです。あらゆる情報を永久に共有するための技術。その第一号だけが、保存されなかったわけですね。
1992年の時刻が、まだ生きている
いま見られるのは、1992年に複製された版です。面白いのは、それが誰にでも確かめられること。あのページのファイル更新日時は、いまも1992年12月3日のまま。ブラウザの開発者ツールでも、サーバの応答をのぞけば確認できます。本文には当時の綴り間違いまで、そのまま残っています。
もうひとつ、忘れてはいけない日付があります。1993年4月30日。この日CERNは、ウェブの技術に関する権利をすべて放棄し、誰でも自由に使ってよいと宣言しました。特許で囲い込む道もあったはずですが、そうしなかった。いまのウェブがあるのは、この一枚の文書のおかげでもあります。
ちなみに、その始まりは1989年の一本の提案書でした。上司が余白に書き込んだ講評が残っています——「曖昧だが、面白い」。世界を変えた企画への評価としては、なかなか渋いものでした。
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参考にした情報源: home.cern


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