コダックは世界初のデジカメを、しまい込んだ

テクノロジー

いまスマホで一瞬に撮れる写真。その世界初のデジタルカメラは、1975年にもう存在していました。作ったのは、フィルムの王者コダックの若手エンジニア、スティーブ・サッソンさんです。

ただ、その姿はスマホとはかけ離れています。重さは約3.6キロ、トースターほどの箱。写せる画素は、たったの1万画素——今のスマホの1000万画素超と比べると、1000分の1ほどです。しかも白黒。撮った1枚を音楽用のカセットテープに記録するのに、約23秒かかりました。見るときは、そのテープを専用の装置にかけてテレビ画面に映す。撮ってから見るまで、テレビの前でしばらく待つ必要があったんです。

「かわいいね。でも誰にも言うな」

問題は、コダックの本業がフィルムだったこと。フィルムのいらない写真は、自社の稼ぎ頭を脅かしかねません。サッソンさんが経営陣に見せたときの反応を、本人がこう語っています。「かわいいね。でも、誰にも言うなよ」。会社はこの発明をきちんと特許にはしたものの、商品化には消極的で、長くしまい込むことになりました。

物語には、皮肉な続きがあります。デジタルカメラが世界を席巻し、フィルムが売れなくなった2012年、コダックは経営破綻しました。自分たちが最初に生んだ未来に、追い抜かれてしまったわけですね。もっとも、破綻の理由はそれだけではなく、年金の重荷などいくつもの要因が重なった結果ではあります。ちなみにサッソンさんは2009年、この発明でアメリカの国家技術賞をオバマ大統領から受け取りました。世界初の1枚は、こうしてようやく報われたんです。


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参考にした情報源: en.wikipedia.org

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