飛行機や車にとって、空気抵抗は永遠の敵です。その抵抗を、表面のごくわずかな『凹凸』で減らせる——東北大学の研究チームが、そんな成果を発表しました。
2026年5月、東北大学流体科学研究所の焼野藍子准教授らが明らかにしたのは、『分散したマイクロな粗さ』を物体の表面に施す手法です。一見すると、表面はなめらかなほど空気はきれいに流れそうに思えます。ところが、計算上うまく配置した細かな凹凸が、表面近くの空気の流れを整え、抵抗を最大で43.6パーセントも下げられるというのです。
カギは、表面のすぐそばを流れる空気の『境界層』です。ここで生じる乱れをうまく抑えると、物体は空気の中をなめらかに進めるようになります。サメの肌の細かな溝が水の抵抗を減らすことが知られていますが、それに通じる発想です。
小さな凹凸が、大きな効率を生む。完璧になめらかにするより、あえて細工を施すほうが速い。直感を裏切るところに、流体の奥深さがあるのです。
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