バージニア州にあるCIA本部の中庭には、「クリプトス」という彫刻があります。銅板にS字型に刻まれた暗号文は4つのセクションに分かれ、最初の3つは1990年代のうちに解読されました。ところが残る97文字、通称K4だけは、35年経った今も誰にも解けていません。
彫刻家ジム・サンボーンさんが1990年に設置したこの作品、暗号の設計には、当時退官間近だったCIA暗号センター長エドワード・シャイトさんが4ヶ月間協力しています。暗号化する文章そのものは、ある著名な小説家と共作したとCIAの公式ページに記されていますが、その作家が誰かは明かされていません。
答えは「見つかった」、でも「解かれて」いない
2025年8月、事態が動きます。当時80歳を目前にしていたサンボーンさんが、高齢と健康を理由に、K4の答えを含む個人アーカイブ一式をオークションに出すと公表したのです。35年間の騒動で「結婚生活を壊され、命まで脅かされた」と告白する内容でした。その翌月、独立系のライターたちが、スミソニアン協会のアーカイブに寄贈されていたサンボーンさん本人の書類の中から、K4の平文が書かれた紙片を偶然見つけ出します。ただし発見者本人は「これは暗号解読では断じてない」と明言し、サンボーンさん自身も「彼らは解いていない、鍵も見つけていない」とコメントしています。
落札額は96万2500ドル、買ったのは暗号資産の会社だった
2025年11月、オークションは予想上限の2倍近い96万2500ドルで落札されました。落札者は当初非公表でしたが、2026年6月、暗号資産の投資会社パラダイムだったことが明らかになります。同社は面白いことに、自社の人間さえ答えを見られない仕組みを作り、1ドルの手数料を払えば誰でも自分の解答案を照合できるシステムを公開しました。
それでも、この暗号がどういうアルゴリズムで解かれるのかは、いまだ誰にも分かっていません。CIAの公式ページも、この記事を書いている時点で「誰もまだ残り97文字の暗号を解いていない」という記載のままです。答えの現物を知っていることと、暗号そのものを解読したことは、別の話のようです。
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参考にした情報源: cia.gov


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