1725年、アイルランド議会議長が建てた狩猟の館が、今では悪魔崇拝の舞台だったという伝説を宿す、不気味な遺跡になっている。
ダブリン近郊のモンペリエ・ヒルにひっそりと佇むのは、「ヘルファイア・クラブ」の跡地だ。
この建物は、もともと貴族ウィリアム・コノリーが狩りの休憩所として建てたもの。でも、やがて1730年代後半に「ヘルファイア・クラブ」という秘密結社の夜の社交場として使われるようになった。
クラブのメンバーは、当時のアイルランドのエリートたち。彼らは夜な夜な、悪魔崇拝や乱痴気騒ぎ、そして奇妙な儀式に耽っていたという噂がまことしやかに囁かれている。
中でも有名なのが、ある嵐の夜のカード遊びの伝説だ。見知らぬ男が賭けに加わっていたが、床に落ちたカードを拾おうとテーブルの下を覗いた者が、その男の足が蹄(ひづめ)であることに気づく。正体を見られた男は、炎とともに姿を消したという。
さらに、クラブの活動期だった18世紀半ばに火災で焼け落ちたと伝えられる(メンバーの悪ふざけが火元という説もある)。廃墟となった今も、その遺跡は独特の不気味な雰囲気を放ち、多くの人を惹きつけている。
個人的には、当時の貴族たちがどんな夜を過ごしていたのか、想像するだけでゾクゾクする。
ちなみに、このヘルファイア・クラブ跡は、山頂付近に位置しており、風の唸り声が響く荒涼とした景色が広がっているそうだ。
1725年に建設が始まったこの建物は、数世紀にわたり、アイルランド社交界の闇と怪異な伝説を静かに語り継いでいる。
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