「生命確率100%」と断言された幻の惑星

宇宙

2010年、地球から約20光年離れた恒星グリゼ581の周りに、驚くべき惑星候補の発見が報告されました。それが、グリゼ581g。発見者の一人であるスティーブン・S・ボウグト博士は、この惑星に生命が存在する確率を「100%」だと断言したのです。

この惑星は、恒星からの距離が「暑すぎず、寒すぎず」という、液体の水が存在できる「ハビタブルゾーン」の中心に位置していました。まるで、童話「ゴルディロックスと3匹のくま」の、ちょうど良いものを選ぶ主人公のように、この惑星は「ゴールドilocks惑星」と呼ばれたのです。

質量は地球の約2.2倍以上と推定され、岩石惑星である可能性が高いと考えられました。表面重力も地球より少し重い程度で、大気を保つのにも十分とされました。推定される表面温度は-31℃から-12℃。液体の水が存在し、生命が息づくには十分な条件が揃っていると、当時は熱狂的に語られたものです。

さらに、グリゼ581gは主星に対して常に同じ面を向ける「潮汐固定」されている可能性が高いとされ、そこには「永遠の黄昏」とも呼ばれる、昼と夜の境界線が広がると想像されていました。この、太陽が沈まず昇りもしない不思議な場所こそ、生命にとって最も適した環境かもしれない、と。

しかし、この期待とは裏腹に、その後、観測データの解釈を巡って、ヨーロッパ南天天文台のHARPSチームなどから存在を疑問視する声が上がります。現在も、グリゼ581gの存在は確認されておらず、議論が続いているのです。

最新の研究では、リサ・カルテネガー教授らのチームが、ガイア宇宙望遠鏡のデータなどから生命を育む可能性のある岩石惑星を45個特定するなど、系外惑星探査は進んでいます。グリゼ581g自体は「幻」となってしまいましたが、こうした研究は、いつか私たちの「第二の地球」を見つける手がかりになるのかもしれません。

個人的には、当時の研究者たちの熱意と、未知へのロマンを感じずにはいられません。

グリゼ581g「系外惑星・生命存在可能性」
画像: Wikipedia「Gliese 581g」より


【関連動画をYouTubeでチェック】

最新の映像や解説動画がアップロードされています。

▶️ 「グリゼ581g 惑星」の関連動画一覧 (YouTubeサイトへ移動します)


関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました